毎日を一生懸命に生きていると、いつの間にか心に
「小さなトゲ」が刺さってしまうことがあります。
誰かの一言、仕事でのちょっとしたすれ違い、
あるいは自分自身に対する「こうあるべき」という過度な期待。
それらは目に見えるほどの大きな傷ではないかもしれません。
でも、指先に小さなトゲが刺さったときのように、
ずっと気になって、ふとした瞬間にチクリと痛む。
その積み重ねが、いつの間にか私たちの羅針盤の動きを鈍らせてしまうのです。
では、どうすればそのチクリとした痛みを取り除き、
自分らしい方角を指し示せるようになるのでしょうか。
羅針盤を磨くために私がおすすめしたいのは、
とてもシンプルな「書き出し」の習慣です。
やり方は簡単です。
寝る前のほんの数分、手元にあるノートやスマートフォンに、
今日一日で心に引っかかったことを、
そのまま書き出してみてください。
「あの時、少し悲しかった」
「本当はもっと、こう言いたかった」
「なんだか今日は、落ち着かなかった」
誰かに見せる必要はありません。
誰かを批判する内容でも構いません。
ただ、あなたの心に刺さったその「トゲ」を、
外に出してあげるだけでいいのです。
なぜ、書くことが大切なのでしょうか。
それは、心の中にあるモヤモヤは、
言葉にして外に出した瞬間から、
「自分の一部」ではなく「客観的な出来事」へと変わるからです。
自分の頭の中だけで考えているときは、
そのトゲは自分自身そのものになってしまいます。
でも、一度書き出してみることで、私たちは
「ああ、私は今、こう感じていたんだな」
と、自分を俯瞰(ふかん)して見ることができるようになります。
書き終えたら、ノートを閉じて、大きく深呼吸をしましょう。
それだけで、あなたの心には少しだけスペースが生まれます。
羅針盤は、汚れがついていては正確な方向を指し示せません。
日々、小さな気づきや感情を外に出して、丁寧に心を拭いてあげる。
そうして磨かれた羅針盤は、
あなたが人生の岐路に立ったとき、
きっと一番正しい方向を教えてくれるはずです。
もし今日、何か心に引っかかることがあったなら、
試してみてください。
「書く」という行為は、自分自身を大切に扱うための、
一番やさしい魔法です。
あなたの羅針盤が、今日も明日も、あなたの心を穏やかに導いてくれますように。
